あの夏

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おそろいの浴衣を着てお祭りにいったこと。 そこでも金魚すくいで競争したっけ。 私はいつも負けて悔しい思いをした。 花火大会に行ったそのあとに庭でも花火をしたこと。 あの子は線香花火が下手でいつも火を着けた瞬間に火玉を落としていた。 父さんに連れられて天の川を見に行ったこと。 遮るものは何もなく、光の帯がただ夜空に漂っていた。 あれだけの数の星を見るのは初めてだった。 それはあの子も同じで、夜空に漂う光の粒を見るのに夢中で足元なんてまるで気にせず駆け出した。 そして父さんが声をかけようとした瞬間、ふっと目の前から消えた。 大きな水の音。 いつもは小さな川の流れは昨日の大雨で増水して濁流になっていた。
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