人材都市

遺体の消える街

しかし、それにしても片西のヤツ、今回は随分とキナ臭い話を持ってきたもんだと俺は正直、うんざりしていた。

そもそも遺体が持ち出されるとか、盗まれるとかの事柄が本当に実在するなら、事件になっていないのは絶対におかしい。

何より、そんなのが多発していたら遺族は必至に探すだろうし、ニュースで報じられて然るべきである。

だが何にしても今回もどうせ何時も如く、しょうもないオチが待ってるんだろうな？

などと俺は、勝手に自己完結した。

最も万が一、これが事実だったなら接点を持つ事で犯罪に巻き込まる可能性はある。

だが、それも確率的には皆無と言っても過言ではあるまい。

(まぁ、いいか……。

どうせ誰かが面白い可笑しくネットに投稿した類いのものだろうし、何より特に害は無さそうだから気にするのは止めとこう…。

どうせ抵抗した所で、善薙先輩に握り潰されるんだし…。)

そう、彼女に抵抗する事など無意味である。

故に俺は即座に諦めると、溜め息混じりに呟いた。

「もう、好きにして下さい…。」とーー。