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「確かに、そうですね?
もし、生きている者を遺体として運ぼうとする場合、何故かヤツらは刃物や嘴等で殺傷した後、運んでいた。
それはつまり…2人は生きている。」
刃物等で相手を傷付けて、運ばないとならない何かしらの理由か事情が、低温生物にはあるとゆう事なのだろうか?
だが何にしても、これだけでは2人が生きているとの確証は掴めても、2人を連れ去った者の足取りまでは掴めてはいない。
(2人の行方を知るには、どうしたらいい?)
俺は、ふと考える。
しかし、そんな時、善薙先輩が口を開く。
「現在、念の為に皆さんの安全を確保する為に、周辺に設置しておいた小型カメラによる画像確認を始めています。」
「えっ…!?
本当ですか!」
「はい、一応、画像確認自体は最初から開始してはいたのですが、範囲が広大だったので確認に時間がかかっていました。
でも片西さんが手掛かりを見付けて下さったので、程なく確認は終わると思います。」
そして…善薙先輩が、そう言い終えてより数分後、善薙先輩のその言葉を実証するかの如く、善薙先輩に電話に連絡が入る。
「はい……そうですか、分かりました。
今、皆でソチラに向かいますので迎えをお願いします。」
善薙先輩は、そう言い終えると俺達に迎えを待つように伝えた。
その後、5分も待たずして善薙先輩が呼んだ迎えの車が、到着したのである。
――――――
――――
――
善薙先輩の家に到着するなり、俺達は様々な映像機材がある薄暗い部屋へと案内された。
そして、部屋へと入るなり善薙先輩が口を開く。
「お待たせしました。
早速、確認結果の報告をお願いします。」
「はい、直ちに覚理お嬢様。」
黒服の執事風の男性が、そう言うなり善薙先輩に向けて一礼する。
その後、他の黒服の者達が俺達の前の巨大なテレビ画面に、映像を映し出した。
映像が表示された瞬間、夏地と金山さんの姿が映し出される。
辺りは薄暗く、ハッキリと見える訳ではないがしかし、顔の輪郭は夏地と金山さんに間違いあるまい。
「暗視映像処理をしてください。」
映像が映し出される中、不意に放たれた善薙先輩の言葉に黒服の1人が頷くと、早々に画像処理に入る。
そして、その直後、画像処理により明るく見易い映像が俺達の前に映し出された。
それはまるで昼間の様に、明るい光景。
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