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明るい空間に映し出される2人の顔。
その周囲に3つの黒いパーカーと、黒いズボンを履いた人影が近付く。
フードで顔を隠している為、顔は分からないが、その人影は恐らく、低温生物に違いあるまい。
それは、そこに映し出された夏地の緊張感溢れる表情や、金山さんの怯えた表情を見れば一目瞭然だった。
3人の異形に囲まれ、逃げ道はないそんな状況下で、夏地は金山さんを守るべく正面の人型の顔面に向けて、上段蹴りを放つ。
だが、分厚い板すら粉砕する夏地の蹴りを受けたのにも関わらず、その黒いパーカーの人型は微動にしたかったのだ。
そして、その直後、金山さんが後方の人型に取り押さえられる。
夏地は、金山さんの悲鳴を聞き振り向くが、それが夏地にとって命取りとなった。
直後、夏地もたま取り押さえられ首筋に注射器を突き立てられる。
後は、予想通りだった。
何かを注射され動かなくなった2人を、3つの黒い人型は連れ去ったのである。
しかし、驚きなのは夏地のあの蹴りを喰らって、平然としている低温生物の化け物具合だ。
どう考えても、夏地のあの鋭い蹴りを受けたら首なり頭なりの骨は砕ける。
だがそれなのに、あの黒いパーカーの人型はまるで何事も無かったかの様に、行動していた。
それは単純に、無痛であると言うだけで説明つくだろうか?
有り得ない話しだ。
体に損傷があれば、歩くのにも支障が出る。
だがしかし、夏地の蹴りを喰らった低温生物に、その兆候はみられなかったのである。
確かに、2人を助ける事は先決であり、今はそんな事を考えている場合ではないのかも知れない。
しかし、今の画像を見せ付けられたら、やはり低温生物に対抗する手段は間違いなく必要だろう。
それ無くして、助けに行く事は出来ないのではなかろうか?
何せ300万ボルトの電圧すら効かないは、銃や夏地の殺人的な蹴り等の物理攻撃すら通用しないは、対抗手段がまるでない。
正直な話、映画や漫画といったモノに良く描かれる架空の存在たるゾンビ相手の方が、まだ気が楽な気もする。
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