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そして当然、俺や片西、そしてサークルメンバーは勿論、俺達の家族にも被害が及ぶ。
だから、失敗する訳にはいけないのだ。
だから、引き下がる訳にはいかない…。
何を言われようとも…。
「片西……有り難うな心配してくれて…。
けど俺は行くよ、後悔したくないからな。
だから止めないでくれ。」
「なっくん……。」
片西は弱々しく、呟く。
しかし、その直後だった。
善薙先輩が、不意に口を開く。
「夏橋くん、私は基本的にその意見に賛同は出来かねます。
ですが私が駄目だと言っても、きっと夏橋くんは納得してはくれないのでしょう?」
「えぇ、今回ばかりは善薙先輩の言葉と言えど、聞けません。」
「きっと、そう言うと思ってました。
でも、取り敢えず行くと決めるのは私の話をしてからにしませんか?」
善薙先輩は今まで見た事のない真剣な表情で俺に、そう答えた。
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