閑話 メデルの記憶 2

4/6
前へ
/158ページ
次へ
主は目に涙を溜めた私の頭を撫でて下さいました。 とても温かくて、安心します。 「それより今日呼んだ理由は、自己紹介とメデルの話しを聞きたかったんだけど‥‥また、今度にしようか」 「‥‥申し訳ありません」 「良いさ。魔力操作の訓練をしていれば時間なんて直ぐ過ぎるからな」 えっ?魔力操作の訓練? 「えっと、魔力を使うのに、魔力操作の練習が必要何ですか?」 不意に出た私の言葉を聞いて主は数回瞬きを繰り返していました。 そして、少し考える素振りをし話し出した。 「魔力ってのは、体の中に流れる川みたいなものだと想像してくれ」 「はい」 「俺たちは、スキルや魔法を使う時にそこから必要な分の魔力を汲み上げる。でも、魔力量が多い奴ほどその量と流れは速い。慌てれば慌てる程に汲み上げられる量は減っていくし、無駄な動きが多くなって疲れる。逆に何度も繰り返していれば、最低限の動きで効率良く魔力を汲み上げられる様になる」 「‥‥だから魔法を繰り返し使っていると速く発動できる様になったり、威力が上がったりするんですね!」 「そういう事だ」 主はまた私の頭を撫でながら、優しい声で褒めて下さいました。
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1304人が本棚に入れています
本棚に追加