閑話 メデルの記憶 1

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私がそう応えた瞬間、皆様が先程とは違う意味で、「え?マジですか?」って反応をしている。 そして、家族は開いた口が塞がらない状態に陥り、周りの聖蛇様方は家族をチラ見、そして次々に喋り出した。 「め、メデル、あのトウヤ・イチノセを知らないの!?」 「はい、知りません」 「下界の人間の中じゃ、特に有名なんだぞ!」 「下界の歴史は勉強していませんでした。そんなに凄い人なんですか?」 「凄い何てもんじゃないわよ!」 「そうなんですか……」 「あの大罪の魔王との激戦の映像なんて何度見ても興奮するぞ!」 「なっ!?ジジイあの激闘を記録したレア物のメモリークリスタル持ってんのか!」 「あっ私も持ってるよ!」 「壊さないから、貸してくれ!」 「「断じて断る!!」」 「へぇー、凄いんですね(棒読み)」 「「「「「だから、全然分かってない!!!」」」」」 (ふぇぇぇええええ!!?) もう何が何だか分からないよー!! 1人だけ話しの流れに乗れずションボリしているとお母様が側に寄り添ってくれた。 あー、やっぱりお母様は私の救世主です! 「アスレティア様、私にお任せ下さい」 ん?何をですか、お母様? 「メデルをイチノセ様の従者として恥ずかしくない、立派な一乃瀬ファンにします!」 しちゃうんですね!そこは確定事項なんですね!! 「うん、お願いねー。私もメデルの為にスキルと服を用意しておくから」 ん?何だか悪寒が……。 「……えっと、私、訓練にー」 「ーいいえ。メデルは私、一乃瀬ファンNo.003と一緒に楽しいお話しをしましょう」 お、お母様の目がマジです!ってか、一乃瀬ファンNo.003ってなんですか!? あぁあ!一体何が始まるのでしょうか!? その後、私はお母様と主ー一乃瀬凍夜様ーの事に付いて一方的に語り聞かせれた。途中から一乃瀬ファンを名乗る方々が乱入し、下界の様子を映像として記録できる希少鉱物メモリークリスタルに録画されている映像を見せられながら、延々と話しを聞かされた。 最早これは、洗脳と呼ばれる類のものではないのだろうか。
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