閑話 メデルの記憶 2

6/6
前へ
/158ページ
次へ
何が弱そうだ、強くは見えないだ‥‥出来る事なら、その言葉を言った時の私をこの場で殴ってやりたい。 アスレティア様が怒るのも無理もない。 その時、お母様から聞いた主の最初の2つ名を思い出しました。 神に導かれた勇者と呼ばれる以前の古い2つ名、極められた銀色の魔力を放ち人々を導く救世主。 煌銀(こうぎん)の先導者。 正しく、今の私は道を示されている。 自分の弱さが嫌で、何度も強くなりたいと望んだ。 でも、私は望んでばかりだった。 自分では何も変えようとせず、嫌っていたはずの弱さを理由にして危険が少ない安全な道ばかりを選んで来た。 今回もそうだ。 何が、一方的な契約だ、聖獣と人間の溝だ! そんな事を気にしているから、私は何時まで経っても前に進めないんだ。 それにやっと気づいた‥‥ううん、気付かされた私は、無意識の内に座禅を組んだままの主ー一乃瀬凍夜ーの前に跪いていた。 そして、誓った。 「我が主よ、私は貴方様にこの身と魂の全てを捧げ、忠誠を誓います!」 その突然の宣言に驚いた主とその後色々とお話しをしました。 主に、「忠誠だけで良いから!魂と体は大切にしろ!」と言うお話しでしたけどね。 ああ!こんな素晴らしく優しい主に出会えた事をアスレティア様に感謝しないといけませんね。 何はともあれ、私はこの瞬間、正式に一乃瀬ファンNo.100になったのです!
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1304人が本棚に入れています
本棚に追加