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第2章 羞恥心
危険地帯である樹海を抜けると見渡す限りに草原が広がっていた。
風が吹き抜ける度に草花が左右に揺れ動く。
「やっと湿度の高い森を抜けたわね!」
そんな事を言いながら背筋を伸ばす魔族の少女リツェア。本当に機嫌が良いらしく鼻歌まで歌っている。残念ながら俺の知らない曲なので、音程があっているのかどうかの判定は出来ない。
その隣を歩く白虎の獣人ヴィルヘルムは常に周りへの警戒を怠ってはいない。
「リツェア、気を抜くな」
「分かってるわよ!」
うるさい連中だ。
そして、その2人の前方を歩くのが俺だ。
本当は後ろを歩いて欲しくないのだが、2人では道が分からないと言うのでしょうがない。
まぁ警戒を緩めなければ問題ないだろ。
だが、やはりうるさい。
……少し黙らせるか。
「リツェア、ヴィルヘルム」
「「何 (だ)?」」
「よくそんな服で騒いで恥ずかしくないな」
「トウヤのエッチ!」
そう言って盛大に破けている服を抑えるメデルとボロボロのズボンと申し訳程度の上着を着たヴィルヘルムは揃って俯く。
あー俺?俺はアイテムボックスに予備の服があったから着替えてるよ。
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