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『眷属召喚 聖蛇』を発動すると目の前に光を放つ魔法陣が現れ、少し待つと白髪の幼女が現れた。
「遅くなり申し訳ありません、主」
メデルは早速俺に向かい頭を下げた。
「気にしなくて良い。それより、服は手に入ったか?」
「はい、此方に」
メデルは肩にかけていた小さめで落ち着いた緑色のショルダーバックから男性用と女性用と思われる服を何着か取り出した。
「えっと、お父様とお姉様のお下がりですが、良かったら使って下さい」
俺はメデルが持っていた服を数着手に取る。
見ただけでは分からないが、どれも俺の着ている服より良い素材の物だ。どちらかと言うと、冒険者よりも貴族が好みそうな素材だな。
まぁ、着る分には問題ないだろう。
いや、あるな。
「ヴィルヘルム、服を着る時は〝人化〟しろよ」
「……分かった」
一瞬凄く嫌そうな顔をしたが、おそらく人間の姿に近付く『人化』のスキルが嫌なのだろう。確かに、『人化』を発動すると身体能力が落ちてしまう。
しかし、逆に『獣化』する事が苦手な獣人族だっている。
「笑うなよ」
「何で人の姿になった位で笑うんだ?」
ヴィルヘルムは偶に変な事を気にする所がある。
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