第2章 羞恥心

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ヴィルヘルムは俺の言葉を受け安心した様な表情になった、気がする。 淡い光がヴィルヘルムを包み、直ぐに収まる。 すると、そこには白髪に黒髪が混ざった青年が立っていた。 蒼い空色の瞳が見守っていた3人に交互に視線を向ける。 鋭く切れ長の瞳、美青年という言葉が似合う程に整った顔立ち、細身だが鍛え抜かれている事が分かる肉体。 予想外の美青年の姿に俺は何度か瞬きを繰り返す。 「……誰?」 「……さぁ?」 リツェアとメデルの言葉を受け、その場に崩れ落ちる黒髪が混ざった白髪の青年。 (メンタル弱……) だが、俺は少しだけヴィルヘルムの気持ちが分かった。 地球に送還されて、初めて自分の姿が別人に変わっている事に気付き驚愕する俺に、両親からの「あれ?イメチェンでもしたの?」と軽いノリで言われた時は相当堪えた。 「…………だから〝人化〟は嫌何だ」 だが、それよりも気になる事がある。 「ヴィルヘルム?お前、若かったんだな」 「……俺はまだ24歳だ」 マジか。俺と精神年齢1歳しか違わないのかよ。 正直、三十路を越えたオッサンかと思ってた。
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