第2章 羞恥心

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その後、暫くして復帰したヴィルヘルムとリツェアに陰で着替えて貰い旅を再開する。 ヴィルヘルムの格好は、白いシャツに黒いズボン。ズボンには尻尾を通す穴を自分で開けた様だ。頭には白虎の耳が付いている。 リツェアは、黒くシンプルなワンピースだ。発育が良い胸も上手く着痩せさせている。しかし、女性のプロポーションを崩す事はなく寧ろ魅力を絶妙に引き出している。 リツェアとヴィルヘルムとメデルが服に付いて会話をしていると目の前に門が見えた。 「あれが、ヴァーデン王国」 ヴァーデン王国は約100年ほど前に建国された小国だ。小国というよりは、魔族領や俺たちが抜けて来た樹海など危険地帯に囲まれている為、国土が広げられないのだろう。 しかし、魔物から取れる素材や豊かな土壌のおかげで豊かな国である。 そして、ヴァーデン王国の最も注目すべき点は嘗て俺が掲げた《他種族との共存》を実現させた国でもある事だ。 その事を門に向かいながら3人に説明する。 やはりと言うべきか、3人はそれぞれヴァーデン王国の事に付いて知っていた様だ。 「まぁ、ヴァーデン王国は人間領ダントツで危険な国だからね」 「ヴァーデン王国は良い意味でも悪い意味でも有名だ」 「そうなのか?」 「ヴァーデン王国は《他種族との共存》を掲げていますが、平等という訳ではない、とお母様から聞きました」 「なるほど」 聖王国の資料には其処まで詳しく記してなかったな。 危険地帯に近い国なら食に困る事はないと思ったがーー 「ふぅー」 ーー面倒な事になりそうだ。 俺の勘がそう訴えるが、今更別の国に行く訳にも行かず門に向かって歩く速度を速めた。
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