偽りの無能者

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有スキルを宿すがその殆どが普通のスキルに毛が生えた程度の弱いものなのだ。それに比べ召喚された異世界人の固有スキルは強力なものが多い。 つまり魔力量が多い=強者、ではない。 黒色の魔力量で弱い固有スキルの人間よりも、紫色で強力な固有スキルを持っている奴の方が国としては重要なのだ。 もちろん、この魔力量を調べる事も今後の期待度を調べる上では必要な事だ。 魔力が多くて困る事はないからな。 「おい、残りはお前だけだ早くしろ」 魔導師の爺さんに言われ、俺は水晶玉に手を置く。 放つ光の色は、赤。この世界の平民からすれば充分な結果だが、他のクラスメイトと比べるとどうしても霞んでしまう。 事実、目の前の魔導師の爺さんや騎士たちの瞳には落胆の色が見える。後ろでも、クラスの連中が俺を嘲笑っているのが聞こえる。 「俺の固有スキルは、『治癒の微光』です。称号は『異世界人』のみです」 俺の持つ固有スキルは目立つし、まさか極限スキルをそのまま言う訳にもいかないので、『医神の波動』をそれっぽく言って見た。 「魔力量が赤で、回復系のスキルですか。今後が楽しみですね」 そんなフォローをシャルティアが言ったが、1度生ま
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