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エスティファム聖国。
大陸の北西にある大国で、世界の全てを創ったとされる創造神を信仰する創神教の総本山がある。身分などの違いはあるものの治安が良く、教育は身分に関係なく誰にでも平等に受ける権利がある国だ。
100年前に旅の途中何度か立ち寄った事があるが、この世界の中で最も恵まれている国と言っても過言ではないと当時の俺は感じた。
しかし、俺は聖国の人たちが苦手だった。
その理由は、国教である創神教の教えにある。
創神教では、人間は創造神によって最も早く創られた事から〝始まりの種族〟と呼ばれ、最も優れた種族だと信じられている。それ以外の獣人や魔族などの他種族は、人の道から堕落し穢れた種族だと幼い頃から教え込まれる。
それ故に、聖国の騎士たち他種族に慈悲や情はない。特に、騎士の上位者になればなるほどその傾向が顕著だ。老人や女性、子供であっても他種族なら一切の躊躇なく殺す。そんな考えの極端な奴ばかりと言うか、異常者ばかりだ。
勇者だった頃の俺は人間だろうと他種族だろうと敵でなければ殺さなかったし、差別もしなかった。
その所為で聖王国とはそりが合わず何度も衝突した。
それだけではない。
俺を “魔
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