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3年前、俺、一乃瀬凍夜は中学3年生の夏、ある異世界に召喚された。
そこでは人間が他種族と長い間戦争を続ける世界だった。俺はそこに勇者として召喚され、色々あったが結局は戦争を止める為に旅に出たのだ。
勿論、戦うのは怖かったし敵だとしても他人の命を奪う事はあの時の俺には辛い体験だった。
敵に剣を向け、魔法を放つ度に体が震え、言葉に出来ない罪悪感に毎日のように蝕まれ眠れない日もあった。
最初は命の奪い合いの毎日が嫌で何度も逃げたいと何度も思った。しかし、旅の途中で出会う人々を見て少しずつ『助けたい』と思うようになった。
それから、旅を続け戦争を撒き散らす魔王達を倒す事で戦争は終結した。
その時には15歳で召喚されてから5年が過ぎ、20歳になっていた。
俺は、これでやっと世界が平和になる、そう確信していた.....あの時までは。
戦争を終結させ、他種族の王達と和平条約を結び人間の国に戻った俺を待っていたのは、卑劣な裏切りだった。
その結果、俺は全身に深手を負いそのまま元の世界に送還された。
気がつくと俺は異世界に召喚される直前の年齢に戻っていた。
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