第一章 1 竜の戦士

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「すごい!すごい!」  近づいてくる一団の細部が次第に見分けられるようになり、興奮したジュナは叫んだ。  十数人の騎士全員が、揃えたように金髪だ。  遠くからキラキラと光って見えたのは、首や肩に重たげに着けられた、黄金の装身具。いぶし銀に所々玻璃の珠を嵌め込んだような光沢を持つ、幅広のズボン。  そして、竜の鱗の煌き。  ジュナは竜から眼が離せない。  馬よりも丸く、大きな頭部。白い牙を覗かせる大きな口。  大地を踏みしめる、たくましい二本の脚。  胸の近くに揃えられた、人間によく似た腕。  真っすぐに後ろに伸ばした太い尾でバランスを取り、不思議なほどリズミカルで優美な動きで、大股に進んでくる。  恐ろしかった。  恐ろしく、荒々しく、輝かしく、美しい。 「すごい!」 「野蛮ね」  ジュナとネアトリスが同時に言った 「なんで!?姉さま、素晴らしく綺麗じゃないの」 「彼らはただの傭兵よ」  こういう時の姉の口調は母そっくりで、いつもジュナはいらいらする。お前は馬鹿な子供だからと言われているような、気取った響き。 「粗野で、無教養で、野蛮な男達よ。まだ彼等を雇うかどうかも決まったわけではないのだ し」 (だって雇わなきゃマイダーに勝てないんでしょ!)  ジュナはふくれた。 image=501572402.jpg
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