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近づく竜と乗り手達の華麗な姿にさっきまでの悪口も忘れて、はしゃぎまくった女官達が手を振り、身を乗り出して歓声を上げる。
居並ぶ人々の歓呼の中、隊列は今、城門をくぐる。
「あ!」
しまった。
姉にむかついていたために背の高い女官に場所をふさがれ、ジュナは竜の先頭が城門をくぐる瞬間を見逃してしまったのだ。
悔しい。もっとしっかりあの人達を見たかったのに。
城壁の内側に走ったジュナは、分厚い城門の反対側から彼等が出てくるところを待ちかねて、思い切り身を乗り出して真下を覗こうとした。
乗り出しすぎたジュナの体の下で、釉をかけた煉瓦のブロックがぐらりと動いた。
「キャ・・・!!」
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