第一章 1 竜の戦士

5/33
前へ
/436ページ
次へ
 近づく竜と乗り手達の華麗な姿にさっきまでの悪口も忘れて、はしゃぎまくった女官達が手を振り、身を乗り出して歓声を上げる。  居並ぶ人々の歓呼の中、隊列は今、城門をくぐる。 「あ!」  しまった。  姉にむかついていたために背の高い女官に場所をふさがれ、ジュナは竜の先頭が城門をくぐる瞬間を見逃してしまったのだ。  悔しい。もっとしっかりあの人達を見たかったのに。  城壁の内側に走ったジュナは、分厚い城門の反対側から彼等が出てくるところを待ちかねて、思い切り身を乗り出して真下を覗こうとした。  乗り出しすぎたジュナの体の下で、釉をかけた煉瓦のブロックがぐらりと動いた。 「キャ・・・!!」image=501572547.jpg
/436ページ

最初のコメントを投稿しよう!

451人が本棚に入れています
本棚に追加