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「やっぱ、元気のいいところかな。オレさ、すっごい人見知り激しいんだよね」
「そうなんだ」
もしかしたら、カンジ悪いのってそれも関係あったのかもな。
「うん。坂野はさ、覚えてないかもしれないし、お前にとってはみんなにしてたのかもしれないけど。サークルで初めて顔合わせた時、すっごい元気で“よろしくお願いします”ってオレに話しかけてくれたのがすっごい印象的で」
そんなことあったっけ?
「あー、覚えてないや」
「だろ。でさ、坂野ってすっごい気ぃ遣うだろ」
「そう?」
「例えば、みんながイヤなこととかも率先してやるし。それを、みんなが気を遣わないようにやるし」
「だって、どうせなら気持ちよくやりたいしね」
「そんなのって、でも、なかなかできないし。あと、飲み会の時も盛り上げるし、つまらなそうにしてるヤツを輪の中に引き込むのうまいし」
「そっかな」
「坂野は自分でよく男扱いされるって言ってたけど。オレは一度も坂野のこと、そんなふうに思ったことないし。すごい女らしいって思ってた」
「………」
泣きそうだった。
私のことを分かってくれてる人がいることに。
彼がこんなふうに思ってくれてるとは思わなかった。
なんだよ、武田。
すっげぇいいヤツじゃん。
ヤバすぎっ。
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