第5章 理由

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   かなり離れている為はっきりとは分からないが、その毛色や体格なんかは捜していたルーフ君によく似ている。  しかし眠っているのか、それはぴくりとも動く様子を見せない。  あれは、ルーフ君なのだろうか。  ここからじゃ、よく見えないなぁ。  横たわっている動物は、こちらに背を向けている。その為、見える範囲は限られていた。  側まで近づいて確認するべきか。  一向に動く気配のないそれを見ながらそう思ったその時、社長の耳がぴんと生える。何か遠くの音に耳をそば立てているようだ。  
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