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ルーフ君は横たわるもう一匹に鼻先を近づけ、何度か前足で揺さぶっていた。
だが、ぴくりとも動かないそれに諦めたのか傍らで蹲ってしまう。
さっきここへ来る前に濱さんから聞いた話では、ルーフ君は元々野良犬で、その割には人に慣れていた。
だから、偶然山の近くをうろついていたところを保護したらしい。
もしかするとあの横たわっているもう一匹は、ルーフ君の昔の仲間だったのではないか。
犬や猫は人間よりも聴覚、嗅覚が鋭い。
いなくなった当時、濱さんを振り切ったのは、きっと何かしらの方法で仲間の危機を察したから。
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