1人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもよりも暑く感じる日だった。
窓の外からはいつものように父親と言い争う未熟な三月兎の声がした。
どうせあいつの母親はおろおろしながらなにもしないんだろうなーなんて呑気に思っていた。
家の中にあいつはいないし部屋から出てアイスでも取りに行こうかと思った時だった。
「キャーー!!!?」
という母親の声が外からして
嫌な予感がして慌てて窓の外を覗くとそこには赤く染まった父親が横たわっていた。
未熟な三月兎の手には赤く染まったナイフが握られていた。
「お父さん!」
なんて叫んで外に慌てて飛び出した。
もう既に息はしていなかった。
私はどうしたらいいのか分からなくてへたり込むことしか出来なかった。
「あーあ、僕のジャマなんかするからこうなるんだよねー」
なんて言いながらあいつは家の中に入っていた。
でもただ呆然としてしまって何も耳に入らなかった。
最初のコメントを投稿しよう!