今はない話

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未熟な三月兎は本当にあの母親から生まれたのだろうかと思うような奴だった。 よく分からない遊びはするし、ナイフは持ち出すし。 遊びというか彼はぬいぐるみをナイフで裂いたりするのだ。 私のぬいぐるみも例外ではなく……。 いくら「やめて」と言っても聞いてくれやしない。 「はいはい」なんて言って次の瞬間にはまたやりだすのだ。 止めようにも恐ろしく感じて強気に出れない。 狂ってるのはむしろこいつの方じゃないか、なんて毎日のように思う。 未熟な三月兎でもこうなるのか?なんて思ったりするし こんなまだ小学生な歳でいいのかとか とてもこの未熟な兎の先が心配になるのだ。
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