今はない話

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日に日にエスカレートしていく行為が怖くて堪らない。 成長したら、年を重ねたら変わるんじやないかって思ったりもした。 なのにいつまで経っても変わらない。 なにもいい方向にいかない。 小学生の頃はぬいぐるみとか人形とかだったのに最近はもう生きているものだ。 怖い。なんで平気な顔でそんなことができるのか。 善悪の感情なんてこの兎にはないんじゃないか。 何がいけなくて、いいのかなんて。 自分がよければ全てよくて、と私にはみえるのだ。 だがこの頃から父親もさすがによくないとして注意をし出すようになった。 「それはいけない事だ」 なんて今の彼に言っても無駄だった。 昔から注意を受け入れない奴ではあったがもっと酷くなっている。 「はいはい」さえも言うわけもなく。 むしろ反抗する。場合によってはナイフを向けたりする。 そんなもんだからとナイフを隠したりもしたがあっけなく見つかるか、 家の中を壊してでも見つけるとか 異常なまでの執着心があった。 だから私は極力関わらないようにと自室にこもるようになっていた。
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