気づき

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「ックソ.........今回ばかりは、マジでキレそうになってたのに.........ミナがあまりにも可愛い顔して俺の顔見上げてくっから保てなくなっちまった........惚れた弱みって怖ェな.......」 「.........な、何.........」 「それに、今聞いている限りではヤクザの息子の身体は服の上から見ただけなんだよな?」 「あ、あぁ、そうだ.........その.........ジャケットを脱いだ時にちらっと見ただけで.........」 「だったら、実際に触った上でイイ身体だって思われてる俺の方が勝ってるって事だろ?」 そこまで言った所で急に距離を詰めてきた大我が俺の腰にするりと腕を回してくる。びっくりして咄嗟に押し退けようとしたが、大我の身体はビクともしない。 俺の情けない抵抗を嘲笑うかのように俺の首筋に顔を寄せた大我がわざとらしく、フ.........と息を吐いてみせる。 首筋をくすぐるように抜けていく温かい空気のむず痒さに身体がビクリと過剰に反応してしまう。.........コイツ.........俺が首筋が弱いのわかっててやりやがったな.........!? 思わず声を荒らげそうになった時。ふいに俺からするりと離れた大我が、俺の顔を見てにっこりと笑んで見せた。 「.......だって、ミナは俺の身体を知ってるもんな.........?」 大我の言葉にぎょっとしたような顔をした坂上が弾かれるように俺の方へ視線を向ける。一体何事なのかと俺も坂上と視線を合わせた。 「.........何だよ、お前ら.........身体、知ってる、とか.........既にそういう関係なのか.........?」 「.........?.................................!!.................ッち.........違う!!お前が考えてるような関係じゃない!!大我が言ってるのは、そうじゃなくて.......大我、お前わざとだな!?誤解を与えるような言い方をするな!!!」 「そうだ、残念ながら俺達にはまだ肉体関係はない。あくまで、まだな。だけど、俺にいつも抱き締められる度にミナは嫌という程感じてんだよ。俺の身体を、その身をもってな」 「.........まだ、じゃなくて今後も一生そういう関係を築く事はないが.........まぁ、そうだな.........胸板はかたいし厚いし.........腕だって全然太さが違うし.................正直同性からしてもよく鍛えられた綺麗な身体だと思う」 「ほら見ろ、俺の身体の方がエロくてイイってミナも言ってんぞ!!」 「そんな事は全く言っていない!!.........同性として憧れはある、というだけで.........」 「.........憧れ?いや、ミナは俺みたいにならなくていいんだよ、むしろ絶対になるな。今の適度に締まって筋肉ついてる身体が一番ジャストでエロいんだよ。肌はもちもちで抱き心地も最高だしな」 「そう言われると絶対に筋骨隆々とした身体になってやるという気持ちになるな........」 俺にだって人並みの男程度には筋肉への憧れくらいあるに決まっている。.........まぁ、大我とか坂上は別格だから、これと比較するのはおかしい気もするが.........
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