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「このままアイツが見てる前でぐちゃぐちゃにしてやってもいいんだが.........ミナとの大事なハジメテがそんな事になんのは流石に嫌だからな.........どうしたもんか.........」
やめろ、と言いたい。大我を突き飛ばして、今すぐにでも解放されたい。.........だが、俺の口の中を好き勝手に動き回る指のせいで、俺は抵抗も反論もする事ができなかった。
開きっぱなしの口と、指が咥内を蠢く度に体が反応してしまうのとで、どんどん疲弊していっているような気がする。
最初の頃は何とかして口を閉じよう、大我の指を追い出そうとしていた俺だったが、その気力すら失い、既に立っているのがやっとになっていた。
口からはだらしなく唾液が垂れ、羞恥と苦しさで段々と瞳が潤んでいくのが自分でもわかる。
泣いてはいけない、それは頭ではわかっているのに.........泣いてしまえば、更に自分が惨めになるのは目に見えている。
.........坂上の前で、こんな.................唯一幸運だったのは、先程までは疎らにいた生徒達がいつの間にやらいなくなり、俺達三人だけになっていた事だけだ。
「.........いっそ、ミナに鎖でもつけて、俺の部屋で飼っちまえたらいいのにな.........そして、俺以外の誰とも関わらないようにして、俺以外見えないようにしてやれたら.........」
「.........ッ.................い、が.........」
「.........あ?何か言ったか、ミナ?」
動かしていた指を止め、俺の口元に大我が耳を寄せる。なので、俺は最後の力を振り絞り、大我の頬に唇を寄せた。
それはほんの一瞬だった。触れたか、触れてないか、判断が難しいほどの。
だが、大我にはそれで充分だったようだ。
「.........................えっ............................................い、今、何.........み、み、ッ、ミナ.........?」
俺の突然の行動に動揺しているのか、大我が顔を真っ赤に染めて俺を見つめる。その顔からは先程までの形容し難い恐ろしさは消え失せている。
「.................部屋、に.................」
それだけ口に出すと、俺はそのまま情けなくも大我の胸に倒れ込むようにして脱力した。.........ダメだ、もう、体が.........
「.........あぅ.........わ、わ、わかっ、た.........み、ミナ、今すぐ部屋に帰ろうな.................お、俺達の部屋に.........」
「.........ん.................」
そのまま何を思ったか俺を抱えあげた大我が俗に言うお姫様抱っこをし始めたが、文句を言う気力さえもなかった俺は仕方なくされるがままにした。
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