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鏡の摂理
これは僕らに起こった自然現象
これは自然の淘汰
これは時を経て産まれた映し鏡
僕の中のあなたと
君の中の僕自身
響きあう中で産まれた時間の摂理
刹那の路を辿って僕らが出した答え
愛とはなんだろう
恋とはなんだろう
涙を晴れ空にしてしまえば罪なのか
忘れてしまうことが罰なのか
それすら僕らにはもう必要ない
その眼光が捉える僕らのノイズは
鏡を歪ませ迷路を広げてゆくけれど
命の続く限りぼやけた
産まれたばかりで青ざめた
哀しくなるほど歓ばれた祝杯に
君が授かる言葉のすべては
僕らの隙間をすり抜けて体温を溶かし
君と僕が混じり合った世界で
その鏡面の摂理を何より鮮明に
覚えているかのように
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