二人の僕

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二人の僕

詩を書こうよと声かけた なんだか僕は拗ねちゃって 書きたくないとか言うからさ 詩を書こうよと声かけた 僕はこう言うんだよ 「これまで書いた詩ムダだった、 たったひとりも僕の詩で、喜ぶひとはいなかった」 だから僕は言うんだよ 「はじめっから、喜ばせる気はあったのかい、 君の心をありのまま、吐き出すだけじゃなかったかい」 また書こうよと声かけた なんだか僕は拗ねちゃって 全部消したいとか言うからさ また書こうよと声かけた 僕はこう言うんだよ 「この詩に何があるっていうの、 たったひとりのトキメキに、 なれない詩なんて意味ないよ。 かわりに君が書けばいいのに」 だから僕は言うんだよ 「何にもなくてもいいんだよ。 その詩が好かれることなどなくても、 それしか今は出来ないんだから、 その詩で思いを伝えてごらんよ」 思い出したようにフレーズが 指先からiPhoneに流れてく ああ、さようなら、さようなら そんな言葉は言いたくなくて 二人でありがと探して書いてる
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