会話調の詩

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会話調の詩

俺 白む呆れと諦めに 身を委ねては悪いこと かすむ意識と慰めに 音を正せば良いことに 僕 何を忘れて幸せが 秘かに過去へと戻れるか まどろみのなか純粋に 大切にしたい人ならば 俺 涙が枯れたと笑うより 己が生きたる過ちを 刻みつけるはどこにある 人で産まれた憎しみを 刻みつけるはどこにある 僕 笑顔に訳など要りはせぬ 涙に訳など要りはせぬ どちらも元から要りはせぬ 要りはせぬのにここにある だから我らはここにある 俺 エゴイスティックな語りべは あすの知恵にも届きはしない 終わりがはじめにあるのなら 潔くとも善をなせ 記憶は二度と笑わずに 色褪せ夢にもあらはれぬなら 僕 幸いはその種で咲く どんな誇りを願いて咲こうと 悲しみの上に悲しみを 傷の真上に傷を重ねど それは己の帰る場所すら 気づいていない恐れに違えぬ 俺 あゝその心とは痛ましく 幸せ願いて罰にて眠る毎日か これから冬が来るというのに これから寒くなるというのに 共に凍えて過ごせというのか 僕 今落ちた種が春に咲く それが心からの恋ならば 必ず幸せ咲かせてくれよう 慎み進もう我が友よ 我らが信じた魂に 少し近づく夜だったのだと
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