アイス

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今年の夏は、いつも以上に暑い。 人が来ないのをいいことに、私はいつもの定位置から降りて見た目を人間と同じに変化させた。 キツネのお面を頭につけ、木陰に移動する。 最近見た女の子服装は、動きやすくたくさんの人がいる中でも簡単に紛れる。 「暑いのはわかるが、だらしないなあ」 「君しかいないから大丈夫」 「お使い行ってきた」 ため息をきつつ、手にした袋を見て片手を出す。 「ご苦労さま。頂戴!」 「俺も食べるから」 袋から取り出し、半分にわけて差し出す。 「ほい、アイスキャンデーです」 「アイスじゃなくて?」 「違う。食べて見ればわかる。だいたい、こまぎつねが人に化けてアイスって」 「いいの。暑いし君も一緒に食べるから」
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