夏に

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―――今年も夏が来た。俺は、ため息を吐く。夏はキライだ。暑いし、蝉がうるさい。やかましい。そして、宿題。こんな暑いのに、なぜこんなことをさせるのだろうか。学校は、俺らに嫌がらせしたいのか。俺はまともに宿題をやっていったことがない。毎年、 「宿題やると死ぬんで。ハイ。」 と、先生を睨みつけて言う。先生は、俺になにか言うと、面倒臭いと思ってるらしく、何も言わない。先生の癖にいい加減だが、俺はこっちの方がありがたい。俺は絶対宿題なんかやらない。 ガサッ。 宿題の束が落ちて来た。 なんだこれは。 宿題ではなかった。 ―夏休みの過ごし方― 待ちに待った夏休みですね。きっと、皆さんは沢山遊ぶことでしょう。そこで、夏休みに、皆さんが充実した日々を過ごすための約束です。 1、お金の使い方をよく考えましょう。 2、お金の貸し借りはいけません。 3、遊ぶ時は親にちゃんと言いましょう。 ……文字が沢山並んでいる。もちろんちゃんと読む気はない。何が約束だ。守って何がある。 ……一番したに赤の太字で、文字が入っているのが気になった。 32、絶対に、神ヶ森には、入らないこと。 神ヶ森とは、俺の家の裏にある、蝉のうるさい森だ。何故か柵があって、中に入れない。なんで入っては行けないのだろうか。俺は気になった。そうだ。森に入ってみよう。ウザい学校のルールに従いたくなどない。入ってしまえ。
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