【錦絵の女】

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【おつう】 むかし、与ひょうという若者がおりました。若者は罠にかかったつるを可哀想に思い助けてやりました。助けられたつるは山へ飛んで行きました。 ほどなく美しい娘が若者の家を訪れ、「嫁にしてくだせい」と言いました。 与ひょうは、かわいらしくどこか寂しげな目をした娘を嫁にしてやりました。 与ひょうはあまり働かない男のため、二人は次第に食う物にも困り始めます。 こんな男を選んでしまった娘おつうは、自分の心を欺くため、「絶対に見ないでくだせい。」と言い残し、奥の部屋で機を織り始めました。 白い美しい布が出来上がると馬鹿な与ひょうはそれをびっくりするほど安い値段で商人に売ってしまいました。しばらくはそれで食べていましたが、二人は再び生活に困窮し始
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