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「もう……あと忘れちゃった。でも――」
華子はペロッと舌を出した。
「その過去があるから今があるんでしょ。きっとそのために必要なことだったんだよ」
今生きてる未来のために必要な儀式だったということか。
「もしかして他の未来が良かった?」
華子はほっぺたを膨らませる。
大学生になって、いきなり華子に告白された。おまたせ。カンジの彼女になってあげるよ。呆気ないくらい、唐突に。
僕に選択の余地はなかった。気持ちはずっと変わっていないのだ。
華子と付き合うようになった。
それは華子の導く未来に乗っかるということだ。
完
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