夜中にクマがケーキにイチゴをのせています

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「まだたったの５年かそこら前の話じゃん」
　その５年の間の成長が大事なんだろうがよ。口では華子に勝てないことが分かっているから、あえて声には出さない。
　いいなぁ。吉岡先輩は。友野が移動してきて、華子の隣に座った。吉岡寛治。僕の名前。

「何が？」
「何がって、彼女が美人の相原先輩ですよ。それも赤い糸で結ばれてるっていうか、切りたくても切れない鉄壁の鎖で繋がれてると言うか」
「華子とはそんなんじゃないし。なぁ？」
　僕は華子を見やる。
「またまたぁ。いいですよ、誤魔化さなくたって」

　僕と華子との距離感は、よく周囲に誤解を招く。ピッタリ体を密着させてきたり腕を絡めてきたりもするが、僕は華子とは付き合ってはいない。