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美少女と称して構わない見目。相原華子。同い年で家は隣同士。幼馴染。僕と目が合うと彼女は手を振ってくる。
「……何、見に来てんだよ」
過去の二打席の無様な結果を思い出して恥ずかしくなる。ショートフライと空振り三振。
僕と華子が通っている県立高倉台高校の中で華子は間違いなくマドンナ的存在だ。将来の夢は女子アナ。彼女から夢を聞かされて、何度バラエティー番組の司会をしている華子を想像したことだろう。
1球目が投じられた。スライダーのキレが良すぎて思わずのけ反ってしまう。決して暴投ではない。球は見事に内角低めに決められてる。
1ストライク。
大きく深呼吸をする。格の違いは3打席目になっても立ちはだかったままだ。
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