こぶたの Sounds good !

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「はいっぴ。だから王子さまは姫たちを幸せにするために、普通の三倍どんばるんですっぴー」  小さなおっちゃんの王子さまが、身体の三倍もある焼きそばを担いでテテテと走る。 「やっと手に入れた働く意味なんですっぴ。だからワタシは、今日も元気に働ける……、じゃあ8番行きますっぴ」  テテテ……の後ろ姿が、なんだかとってもカッコいい。 「……うん。どんばってプギ」  つぶやいて、アタチはブースに戻った。  なんだかほっぺに感覚がなくって、寒気がするみたいに……暑い。 「暑すぎるプギ……、もう夏なんてなくなればいいのに……」 「だめチョメ!」  汗だくのチョメさんに言われて、アタチはハッとした。 「……そうニャ。それは、だめニャリ」  ヌコリンも目が虚ろで、コテがおそばの無い鉄板をこすってる。 「ん……そうだったプギ。ゴメン……」 「……気合だチョメ! チャーコ、24番にコーラ10本……!」 「はいっ」 「焼き……そば5個ぉ! 125番、ニャ……リ……!」 「は、い……ブギ!」 「チャーコちゃん、フラッペ23個、300番ですふわー」 「は……、プ、ギ……」  突然、アタチの中の太陽が真っ白になった。  お空に大きな白いフラッペが見える……。 (プギ……?)  フラッペの向こうで、ハチがアタチに手を振って……。  ……急にびっくりした顔……? コッチに……来、る……。 「――チャーコ!? カイ、来て! チャーコが……!」 「きゃーー! チョメさまぁ!?」 「ヌコリンさま!? しっかりですふわー!……」  夏が回る、クルクル回る。  アタチたちはフラッペの夢を見ながら、永遠の眠りについた……。  
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