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よっぴぃさんはご家族連れで夏フェスに参加する。彼が働いている間、妻子は海水浴を満喫できるのだ。
「さて諸君、ここからが本題。実は今年から、わたあめ姫にかき氷屋を任せたいと思う」
カイの言葉に、ヌコリンとチョメさんが首を傾げる。
「それは歓迎ニャリが。でもあの子は雨の精霊、雨が降らないと現れないニャ」
「そうチョメ。予報では来週はずっと晴れチョメよ」
怪訝な顔の二匹に、カイはニヤリとほくそ笑んだ。
「ふ……もちろん策はある。チャーコ、例のモノを」
「はぁい。――これプギ!」
アタチはテーブルの上に、一冊の絵本を取り出した。それをみんなが身を乗り出して覗き込む。
「……チョメ? 『魔法の国のありすん』……?」
「よくわからニャいが、お手並み拝見といこう」
みんなが注目する中、アタチは絵本を開いた。
そこには黒いミニドレスを着たツインテールの女の子と、キスチョコのような形の青いモンスターが描かれている。
「……むかーしむかし、ありすんという魔法使いの女の子と、スランバというスライムモンスターがおりましたプギ」
冒頭文を読み上げた後、アタチは絵本のありすんとスランバをヒヅメで押さえて叫んだ。
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