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「よっ♪ 二人とも、おひさー」
「いやああぁん、我が君いらしたのーー!?」
「ぬおおお、マイスターー!!」
歓喜のありすんとスランバが飛びあがった刹那、二人はカイがサッと取り出した小型ラケットのようなものに突っ込んだ。
バチバチバチッ!!
「「んギャーーオ!!」」
火花が散り、哀れありすんとスランバはホロリと床へ。
「あ、うっかり『電撃殺虫ラケット蚊とりクン』を使っちゃったぁ」
「絶対用意してあったニャ」
「アクトーだチョメ」
冷やかな外野の視線を華麗にスルーして、カイは床に落ちたありすんとスランバをつまみあげた。
「おい。のんきに寝てないで、ありすんサイズの子がいつでも雨を浴びられるアイテムを出してくれ」
「我が君……いきなりイミフ……。それにこういうのはドMのスランバだけにして……」
「ああ……! マイスターの仕打ちとお嬢の裏切りが心地よい……! てかお嬢、アレは? ほら、我らがマイスターを想う時の演出グッズ」
スランバに促され、ありすんが震える片手を上げるとそこにポンッと小さなビニール傘が現れた。
「傘ぁ? 俺が欲しいのは雨除けじゃなくて……」
「我が君……いいから広げてみて……」
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