冬の間に出来る事

5/6
2720人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
実果の心とは裏腹に オバケグモの糸get作戦の決行が決まった しかし、案外平和な作戦で オバケグモの好物と物々交換だと言う 交渉人は精霊達だ。 精霊をこんな事に使って良いのかと 思わず首を傾げるが 無駄な殺生はしたくないし 定期的にヤリトリ出来る様になりたいのと 魔物と言葉を交わせる精霊が適役らしい なので 精霊の愛し子たる三つ子と 保護者のハルさえ参加すれば良いのだが 好奇心旺盛な子供達は オバケグモに会いたいから参加すると言う そうなれば 実果も参加せざるを得ない ハルだけに任せるには子供の数が多すぎる オバケグモも怖いが人間はもっと怖い。 ウッカリ人攫いなんか出た日には 悔やんでも悔やみきれない まぁ、それは置いといて オバケグモの好物探しからである 意外にも甘い物が好きだと言う 花の蜜や甘い樹液、甘い草など どうやら草食系らしい ならば、お菓子を作ろうと おかしな方に話が進み クッキーを焼く事になった キャッキャ言いながら お菓子作りを始める子供達に キッチンを占領された実果は リビングの暖炉を上手に使って 夕食のシチューを作る どのみち今日はお菓子作りで1日が終わる 手持ちぶさたの実果が 早めの夕食作りにとりかかるのも仕方ない事 願わくば、ひと晩寝て 子供達がオバケグモの事を忘れてくれないかと 実果は叶いそうもない願いを天に祈った
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!