生はまこと散華(さんげ)に尽きる

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  “誰か”が誰かなんて、 けっこうどうでもいい。 藤原さんや 兄嫁さまのことを知った 私の心労を、 桃さまに味わわせたくないだけだ。 桃さまの顔が見たい。 すごく会いたいけど、 会っても体を合わせて ハアハアするくらいしか 今日の私にはできそうにない。 ……いや、 別にそれでもいいんだけど。 私に復讐するために 戻ってきた純心みたいなものが、 桃さまに隠しごとをするのは いやだとだだをこねる。 私、 いい歳して、 ほんと恥ずかしい女。 .
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