生はまこと散華(さんげ)に尽きる

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ マンションに戻ってきて、 涙が出そうになる。 毎日毎日、 自分の部屋と職場の 往復をしてきたのに、 こんなにわが家が安らぎ、 いとおしく思えたのは 初めてだった。 どうしてよ。 私、確かに いけすかない女 だったかも知れないけれど。 ──こんな、 世界の最前線に 巻き込まれるようななにかを、 私はしただろうか。 そんな言い方は、 大げさかも知れない。 でも、 これまでの人生から思えば、 今いる状況は戦場に等しくて。 今までなにとも 戦ってこなかった 私には正直、 手に負えない。 それでも恋を 手放そうと思いもしない私は、 とっくにどこか おかしくなっているんだろうか。 「……それにしても、 誰なんだろ」 .
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