420人が本棚に入れています
本棚に追加
壁伝いに歩きながら、
パチンとリビングの
ライトをつける。
誰であろうと、
私の心の中は変わらない。
そう思うけれど、
桃さまと公私ともに
引き離されたら──
正直、
どう生きていったらいいかさえ
わからないレベルだ。
いっそ溺れて、
溺死でもしてしまえればいいのに。
……たとえば
彼の大きな手に、
ぎゅうぎゅうと喉を
絞められながら、とか。
そんな趣味はなかったのに、
桃さまと交わっていると、
自分自身も知らなかった
そういう部分を、
不思議と肯定できてしまう。
絞首は、
溺死とは違うけど。
死ぬとき、
死ぬほど苦しいのは
どちらも同じに違いない。
思ってから、
意味不明なことを
考えてるなと自分でも思った。
.
最初のコメントを投稿しよう!