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ずっとそこにあったものから、
自らの意志で目を背ける──
というのは、
なかなかにけしからん
行動らしい。
私の素直も純心も、
たぶんずっとすぐそばに
いてくれたものなのだろう。
だけどつまらない
自分の意地や
刹那的な欲望のために、
私はずっとそういうものから
目を背けていて。
──まさか今ごろになってから
じわりじわりと復讐されるなんて、
思ってもみないじゃない。
゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚
魂を抜かれたあとのような
疲労感をまとい帰路につくと、
純心からの復讐は
まだ続くらしく、
今度は見たくなかった顔があった。
この前は桃さまが
待っていてくれた駅前に、
こともあろうに
彼の義姉という女性が立っている。
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