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けれどいつからか
変わり続けることに
慣れてしまって、
そうして
鈍感になりゆく自分に
気づきもしなくなっていた。
気づいたときには
こうして数えきれないほどの
なにかを落とし、
忘れてしまっているのに。
足が一歩、
また一歩と進むたびに
すり減る気がしてしまう
私の意識は、
いったいなにを
失おうとしているのだろう。
本当はわかっているのに、
わかっていないふりを
必死でするときの
痛みを伴うあの焦りが、
私を端から食い散らす。
とりあえず眼球の裏が、
痛かった。
それでも動いてくれる足は
私の景色をゆっくりと
流していき、
目の前に開けた
大きな道路が現れる。
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