生はまこと散華(さんげ)に尽きる

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 今日はずっと、 思い出せる限り 私自身の人生を さらっていたのだろうか。 自覚はなかったけれど、 そうでもなければ 今ごろこんなところに 足を伸ばしはしなかった。 私は自分が思っているよりも ずっと残酷で 人でなしの人間で、 女だ。 いや、 あるいは女という生き物が もともとそういう性質を 持っているのかも知れない。 幸運にも、 自分がそういう貌(かお)を 持っていることを 知らずに終える生も あるのかも知れない。 私は10年ほど前、 自分の中のそういう部分に 出会っていた。 けれど、 幼さが私の目を 曇らせたのだ。 残酷というより ほかない、 哀れなまでの 無邪気さで。 .
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