生はまこと散華(さんげ)に尽きる

8/39
前へ
/39ページ
次へ
  ……なるほど、 この人、体の関係がないと ものが言えないのか。 本能的な勘で、 そう思った。 きっと女友達も いないんだろう。 まともに同性の 友達がいる女なら、 痛い部分って互いに 矯正されるはずだ。 こんなところで、 改めて千佳の存在が ありがたくなるとは。 さっきすべて話し終えた私を、 千佳が笑って 許してくれたことを思い出す。 「まだ坂田のこと 引き合いに出すけど、 見逃してね」と 渡瀬さんに聞こえないように 耳打ちしてきた千佳は 往生際が悪いけど、 やっぱりかわいい親友だ。 確かに私たち 痛い女ではあるけれど、 そこそこイケる女のはずだ。 こんな人より。 「ち、調子に乗ると、 あとでひどいわよ」 「放してください」 .
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

420人が本棚に入れています
本棚に追加