0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ」
「キャッチ。だめだろ、魔法で勝手にアイス取ったら」
ここはあるVRギャルゲー内の神社だ。ヒロインは1プレイヤーにつき一人だけだが、仮想空間で女の子と自由に生活できる。だがヒロインを惚れさせたらゲームオーバーという業界を激震させた設定だ。
「ぅ、返してくればいいんでしょ」
この面を付けた子が俺のヒロインだ。常識のない性格が災いして人気投票ではランク外だが、可愛いところもある魔法少女だ。
「いや、食べればいい」
「え?」
「後で払っとく」
「……ぅん」
少し頬を赤らめて、アイスをなめる。こいつ……。
「お前」
単刀直入に尋ねる。
「俺のこと、好きか?」
するときょとんとした顔になる。
「好きって、何?」
なぜかこいつは”好き”という感情を理解しておらず、そのためシステムは惚れた判定はせず、もう長い付き合いだ。
「誰が得する、このゲーム」
最初のコメントを投稿しよう!