ミリオン・ドロップアウト

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「あっ」 「キャッチ。だめだろ、魔法で勝手にアイス取ったら」  ここはあるVRギャルゲー内の神社だ。ヒロインは1プレイヤーにつき一人だけだが、仮想空間で女の子と自由に生活できる。だがヒロインを惚れさせたらゲームオーバーという業界を激震させた設定だ。 「ぅ、返してくればいいんでしょ」    この面を付けた子が俺のヒロインだ。常識のない性格が災いして人気投票ではランク外だが、可愛いところもある魔法少女だ。 「いや、食べればいい」 「え?」 「後で払っとく」 「……ぅん」  少し頬を赤らめて、アイスをなめる。こいつ……。 「お前」  単刀直入に尋ねる。 「俺のこと、好きか?」  するときょとんとした顔になる。 「好きって、何?」  なぜかこいつは”好き”という感情を理解しておらず、そのためシステムは惚れた判定はせず、もう長い付き合いだ。 「誰が得する、このゲーム」
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加