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「さて、それでは何から始めたら良いのかしら?」
マルグリットが首をひねる。
「まず体の自由を奪うことね。食事に薬を混ぜて昏倒させましょう」
「なるほど、いかに相手が人間と言えど、立派な大人の男性。暴れられたら面倒ですものね」
「グレン、何か良い薬は置いていないの?」
「はい、それでは、以前奥様が使用されていた睡眠薬を拝借しましょう」
「お母様が睡眠薬を?初耳だわ」
「奥様は旦那様が恋しかったようでございます」
「なぜ今まで黙っていたの?」
「黙っていた訳ではありません。聞かれなかっただけです」
「……全くポンコツだわ」
「ええ、お姉さま」
姉妹はぶつぶつと文句を言いながら、トマトスープに睡眠薬を混ぜいれる。
「あまり多く入れると、味が変だと気づかれてしまうかしら」
「そうねお姉さま、少しだけにしておきましょう」
楽しそうにはしゃぐ二人の行動を、グレンは感情のない目でじっと眺めていた。
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