scene.7

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「…帰るぞ」 「うん…ありがとう」 小さく、呟くような声に、俺の表情が緩む。 そして、本当に心の底から安堵し、肩の力を抜いた。 「これからは、こんな時間に家を飛び出すな」 舞を見据え、釘を刺しておく。 こんな思いをするのは、もうたくさんだ。 「…ごめんなさい」 申し訳なさそうに謝る彼女を見て、どうにもたまらなくなる。 それを誤魔化すように、舞の頭を軽く撫でた。 「飛び出す前に電話しろ」 「斎…」 「そして、それでも飛び出してしまったのなら…」 「…」 もう夜の公園は勘弁してくれ。 「俺のところへ来い」 「斎…?」 「もしくは友達の家とか…。遅い時間に公園とかは、もうなしだ」 舞は大きく頷く。そして、頭を下げた。 「心配させて…ごめん。これから、気をつけるから」 「あぁ、そうしてくれ」 「…えっと、斎」 何か言いづらそうにする舞を、訝し気に見遣る。 「どうした?まだ何かあるのか?」 「…そういう訳じゃなくて」 「…」 彼女は、スッと手を差し出した。
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