scene.7

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「あぁ」 「…なんか不都合あるの?」 ありまくりだ。 「…おおいにある」 「皆にいじられるから、とか?」 「…なんだ、それは」 「えーっと…」 俺の不都合については全く思い当たらないようで、彼女はウンウンと頭を悩ませている。 こいつは一体、何年俺の近くにいるんだろう? 何故こんな簡単なことに気づかないのか、理解不能だ。 言葉足らずな自分を棚上げし、何となくイラつく。 少しは気づけと言わんばかりに、彼女を囲う腕に力を込めた。 「い、斎?」 「大学は高校と違って、出入り自由だ。いつでも来ればいい」 「あ!」 声を聞いて、はっきりとわかった。 完全に抜けてたな。 「俺もあいつらもそのまま上に進学する予定だ。テニスも続けるだろう。お前が打ち合いたいなら相手をしてやる」 「…そっか」 「共学気分も気軽に味わえる」 「…そうだよね」 「あと、苦労せずにここまで来てしまったと思うなら、親に感謝して、精一杯勉強しろ。大学まではエスカレーターでも、その先はそうもいかない。足掻くのは、そこからでもいいんじゃないのか?」 「…」 呆然と俺を見上げ、やがてゆっくりと頷いた。 ……やれやれ、納得したか。 俺はホッと一息つき、彼女を解放した。
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